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活動報告

平成21年度全国女性建築士連絡協議会の報告

平成21年度全国女性建築士連絡協議会の報告

今年度の全建女は
「地域と共生する住環境づくり」 ~建築における「環(WA)」を考える~
をテーマに7月17日・19日に長野県で開催されました。滋賀県からは連合会役員として田井中さん
他女性8人・男性4人の総勢13人で参加しました。
 長野には全国から430名(内長野県が100名)余りが参加されました。これは全県女としても最高の人数だそうで、大変盛りあがっていました。今年からは託児付と女性が参加しやすい取り組みとなっていたことも、この大会の成功につながっているのではないでしょうか。滋賀県からも青年部がベニヤドーム2張を作成展示し、各地の参加者からの興味を引いて大変好評だったようです。大会後の懇親会もほぼ全員の参加となり、長野の皆さんからも余興あり地酒の振る舞いありと、和気あいあいで全国各地の人々と交流がもて、大変刺激的な2日間となりました。
 18日の分科会ではH分科会を、滋賀から田井中さん司会・アシスタント平井さん・コメンテーター柴山さんで行われました。詳細は各分科会の報告によりますが、すばらしい発表の場を持てたことで、滋賀県を全国にアピールできたことと思います

○基調講演:テーマ「ふるさと信州・環のすまい」とその背景    

 講師:吉田 倬郎(工学院大学工学部建築学科教授)
         
 日本でも有数の林産県である長野県が策定した「ふるさと信州・環のすまい」は、環境と共生する豊かな住環境の場を実現し、森林の保全と林業の活性化を推進し、住宅の生産供給と維持保全、そして地域社会と地場産業の持続的な発展をもたらすという大きな循環する環を作っていく取り組みとなっていっています。この取り組みができた背景や活動をわかりやすく紹介してくださいました。


○パネルディスカッション 

 テーマ 「建築における「環(WA)」を考える -建築における「環」と「産・官・学・民」のネットワーク」と題して、コーディネータの高木直樹氏(信州大学建築学科教授)のもと、パネリストとして基調講演の吉田倬郎氏、市村良三氏(長野県小布施町長)、石井利江氏(有ISHIKAWA地域文化企画室代表取締役)、出澤潔氏(長野県建築士会名誉会長)が、それぞれの立場でまちづくりに関わったお話を討論されました。特に小布施のまちづくりに寄与した市村氏、松代で「エコール・ド・まつしろ2004」をプロデューサ―として努められた石井氏のお話が興味深かったです。産・官・学・民の橋渡しを担う立場として、建築士の位置づけの重要性を感じました。 

                                         (大村 記)

分科会の報告

○B分科会

 テーマは、『建築を取りまく制度と建築士会』でした。
姉歯元建築士事件依頼制度が、たくさん増えたり改正されてりで大変な建築業界になってきている。
構造一級、設備一級、定期講習、管理建築士講習、建築士試験改正等これからどうなっていくのか将来が不安になることばかりです。
若手建築士をたくさん増やさなくてはいけないのに試験が厳しくなったりでなかなか増えていかない。
3年に一回の定期講習もほぼ受験すれば受かる状況なのではたしてそれが、建築士のレベルがあがる手段になっているのか?と思いました。
建築士の人口を少なくしていく方法を試験を厳しくするでは将来を考えた手段ではないとおもいます。
定期講習をもっと厳しくするなど方法を考えてほしいと思いました。
みなさんたくさん意見をされてまして、考えていることはみなさん同じようなことだなと思いました。

ベニヤドームもアピールしておきました。
                                         (青年部会)


○C分科会「健康住宅と素材」

 広島建築士会の下田卓夫氏より、草屋根建築「ぽんぽん」と木造住宅インフル再生「Y邸」についての事例紹介を交えながら、健康素材や工法・建設方法などの講演を頂きました。
 その後、質疑応答・各自の活動報告が有り、日本木材学会で発表された杉材の空気質浄化機能についての報告や、有害物質をバイオの力で善玉菌に変えるエコパラダイス工法などの紹介がありました。また、素材だけにこだわらず光や風を取り入れた間取りの工夫なども大切だと言う意見も出され、色々と勉強できた有意義な分科会でした。

                                          (近藤 記)


○G分科会「高齢社会」

 高齢社会から超高齢社会に向かう今、住まいとはどうあるべきかを考える部会です。
 東京建築士会からは、ミニシンポジウム「はつらつと住まう」で訪問・インタビューした11名の高齢で元気に活躍される方々の様々なライフスタイルの紹介がありました。
岡山建築士会からは、「熟年世代の住まいと暮らし」に関するアンケート調査、649件の回答報告からテーマをピックアップして開催した「今から考える熟年の住まい」の報告がありました。
 一貫したテーマに基づき、3~4年の歳月を掛けて地道な調査のもとまとめあげた研究報告を、士会の自己研鑽に留まらず、県民に対して士会の活動・存在意義をアピールしている点は学ぶべきです。
 高齢社会と言えど、都市部、地方ではその生活形態・考えには大差があります。転居・住みかえに抵抗のない都市部、住み続ける・継承することに重きを置く地方。バリアフリーの言葉一つとっても、「バリアフリーがバリアにならない暮らし」という考えもあります。
高齢社会を考える時、建築士は、住人、医療、行政関係者などと "連携"をはかりながらも建築士としての役割を果たせるかが課題だと思いました。

 (市川 記)


○H分科会「集まって住む」

 震災復興の共同建替事業・東尻池コートについて、滋賀県建築士会の柴山 直子 氏に武田五一設計の寄宿舎・求道学舎の集合住宅への再生について、東京建築士会の薄井 温子 氏に、講演をして頂きました。その後、質疑応答・各自の活動報告が有りました。
東尻池コートは、長年の自治会活動の上に、新しい建物が建てられ、求道学舎は、建物の再生の為に新しい自治会を作り、「集まって住む」を完成しました。
人と人・人と建物、それらを受け止める建築士の関係、まちづくりはひとづくりという言葉が印象的でした。

                                          (冨田 記)
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