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建築士会について

Doシリーズ№78 「誰もが最期まで村で暮らす」ための新たな集落づくり~十津川村の取組みに学ぶ~

2018年11月03日(土)

 11月2日・3日、近畿建築士会協議会女性部会主催・企画の継続セミナーに参加する形で、滋賀県建築士会女性委員会Doシリーズ№78事業を行いました。奈良県十津川村を訪れ、2011年9月に紀伊半島を襲った大水害からの復興、そして過疎化や高齢化といった重要課題に向けての取り組みを学びました。バスでの移動の際、山間に土石流の痕を見て被害の大きさを改めて知る思いでした。

 1日目に訪れたのは、谷瀬地区の復興公営住宅と高森地区の復興公営住宅「高森のいえ」。そこで十津川村役場技師 乾 耕輔氏から、これまでの取り組みの背景や経緯について話して頂きました。また設計監理担当㈱アルセッド建築研究所 益尾孝祐氏から、2004年の新潟中越地震以降、各地で展開される災害からの自立再建住宅支援についての説明をうけました。今後も起こるであろう大災害により歴史的建造物や風景そのものまで失った地域を再建するために、建築士としてどのように関わることができるかを考えていくことが重要だという意識を強く持ちました。「高森のいえ」は、子育て世帯向けと高齢者向け住宅が雁木でつながり、中央には畑や池が配置され、住民が助け合いながら安心して暮らせる工夫があちこちに見られました。

 2日目、世界遺産熊野古道 小辺路の果無集落を巡り、前日の懇親会での奈良県の女性建築士の方の「奈良にきて玉置神社に行かないなんて!」の発言により急遽予定を変更して参詣した玉置神社。樹齢3000年といわれる神代杉などの巨木に触れ、大自然と悠久の時の流れを感じるひと時を過ごし、その後に訪れた森林組合木材加工センター敷地内の復興モデル住宅は、十津川産材を存分に使い、妻壁を風雨から防ぐスバルノフキオロシ等の伝統的要素を取り入れた魅力ある住宅でした。

 最後の行程で、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている五條市新町通りをガイドさんの案内で散策する際には、滋賀の山本会長と奈良の米村会長も同行していただきました。

 今回、滋賀からは11名、近畿全体で39名が参加する事業となりました。参加してくださった皆様ありがとうございました。天候にも恵まれ、すばらしい事業に参加できたこと、そして近畿の他府県の女性建築士との交流の場を持つことができたことに感謝し、女性委員会の今度の活動に大いに繋げていきたいと思います。

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