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滋賀県建築士会女性委員会設立20周年事業瀬戸内に浮かぶ島アートとアーキテクチャーを巡る研修旅行

2011年10月19日(水)

研修旅行報告:2011.10.15ー16

 

去る、10月15日土曜日から16日にかけて1泊2日で瀬戸内海の3島の見学研修旅行に行ってきました。今回は女性部会(現女性委員会)の発足20周年の式典も現地で行うという欲張りな日程でした。

参加者は、会員26名、会員外9名、計35名。週間予報では雨マークが外れることがなかった週末でしたが、そこはパワーを持っている女性委員会の力で雨を吹き飛ばし、島巡りも傘のお世話にならずにすみました。JR米原駅に5時50分集合という早い時間の集合にもかかわらず、時間どおりにJR大津駅を経由し岡山宝伝港に向けて出発し、犬島へと向かいました。

1日目の犬島では、3班に分かれ、妹島和世さんが手がけられた「家プロジェクト」と三分一博志が設計した「精錬所」を見学。人口50人の小さな集落に点在している、「家プロジェクト」は、島の風景を変容・活性化させる3つのギャラリーと「中の谷東屋」からなり、犬島の歴史的背景を舞台に展開された「精錬所」に対し、日常の中にアート空間が優しく滑り込み、集落を新たな風景へと生まれ変わらせていました。「精錬所」は、犬島に残る銅精錬所の遺構を保存・再生した美術館で、「在るものを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもと作られました。既存の煙突やカラミ煉瓦、太陽や地熱などの自然エネルギーを利用した環境に負荷を与えない建物となっています。見学後、チャーター船で小豆島にわたり、20周年式典、交流会と日程を消化いたしました。

2日目は再びチャーター船でお待ちかねの直島で、安藤忠雄作の「地中美術館」と古い民家をアートスペースに変える「家プロジェクト」を見学。建物のほとんどが地中に埋められた美術館として有名な地中美術館は、その名のとおり、地下空間にアートを内包しています。クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの3名の作品を収めた美術館で、個々の作品ごとに、作品を体感する建築空間を構成しており、作品と建築・展示空間が一体となっていました。絵画としての美術作品はモネの5点だけで、マリアの作品は階段状の神殿のような大空間を構成し、その中に直径2m以上の花崗岩の球体と、金箔を施した27体のマホガニー材の立体を配置している空間です。入る人数も限定され、一定以上の人を入れることもありませんし、順路もなく、靴を脱いでスリッパに履き替えたりと、概念として持っている美術館とは異なりました。直島の「家プロジェクト」は古い家屋を建築家やアーティストがその場所の記憶を残す場所として再生していました。

2日で欲張ってすべてを堪能いたしましたが、どの場所も印象に残る旅行となりました。またチャンスをつくり地中美術館には行ってみたいと思います。おそらく個人で行くのであれば、今回の見学先を2日間で見ることはかなわないと思います。それだけ欲張って、練りに練った行程であったと自負しております。今回ご一緒出来なかった会員の皆様、是非、次回はご一緒出来ることを心より願っております。そして、今回ご参加された皆様、ご不便、ご不満な点もあったと思いますが皆様のご協力により、無事20周年事業が行われましたこと、紙面をもちましてお礼申し上げます。ありがとうございました。

(文:橋本)

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